【10月29日 AFP】米政府高官は28日、シリア政府が「飢餓を兵器」として利用しているとして、バッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領と同政権を支援しているロシアへの非難を表明し、強硬手段も辞さない構えを示した。ジュネーブ条約(Geneva Conventions)では、飢餓を戦闘の方法として利用することは戦争犯罪と定められている。

 米政府高官は、シリア北部アレッポ(Aleppo)での攻撃を停止しているとするロシア政府側の主張をはねつけた上で、AFPに対し、「国連(UN)はアレッポ東部に支援物資を搬送するよう要請しているが、シリア政府はそれを拒み、飢餓を兵器として利用している」と述べた。

 この表現は、ジュネーブ条約で定められている「戦闘の方法として民間人を飢餓の状態に置くことを禁止」した条項を反映したものだ。

 アレッポでは数か月にわたって市民25万人が包囲されて爆撃を受ける事態が続き、国際的な非難を呼んでいる。

 米政府は現在、シリアに対する追加制裁と、オランダ・ハーグ(Hague)の国際刑事裁判所(ICC)への提訴を検討している。(c)AFP