【10月29日 AFP】柔道女子78キロ級の五輪金メダリスト、カイラ・ハリソン(Kayla Harrison、米国)が、総合格闘技団体ワールド・シリーズ・オブ・ファイティング(WSOF)と契約を結び、元練習パートナーのロンダ・ラウジー(Ronda Rousey、米国)に続き総合格闘技(MMA)界入りを果たすことになった。

 WSOFのカルロス・シルバ(Carlos Silva)最高責任者(CEO)は、「柔道で2度の五輪金メダルに輝いた選手を迎えることになり、この興奮を言い表すことができません。彼女はオリンピック・ムーブメントを大いに盛り上げた人物です。金メダルを一つでも勝ち取ることは本当に特別なことですが、さらに4年後も、再び成し遂げたことは素晴らしい偉業です」とコメントした。

 2012年ロンドン五輪の女子柔道で米国勢初の金メダリストになったハリソンは、その喜びの会見で、元コーチから性的虐待を受けていた過去から立ち直ったことを告白し、世界に感動をもたらした。

 そして今年のリオデジャネイロ五輪で再び金メダルを獲得した26歳のハリソンは、以前からラウジーに続いて総合格闘技大会「UFC(Ultimate Fighting Championship)」に参戦するとみられていた。そしてシリーズ参戦を視野に入れて自身の技術を磨きながら、12月にはWSOFで解説者デビューを果たす予定になっている。

 シルバCEOは「カイラはMMAのデビュー戦で大旋風を巻き起こすために、万全の態勢を整えています。彼女は自分に高い期待が寄せられていることは分かっていますし、自分が試合を盛り上げられる選手であることを証明するつもりです」と述べている。

 北京五輪の柔道女子70キロ級で銅メダルを獲得した実績を持つラウジーは、UFCバンタム級女王の座を保持していたが、昨年11月に豪メルボルン(Melbourne)で行われたホーリー・ホルム(Holly Holm、米国)戦で、UFC史上に残る衝撃的なKO負けを喫した。

 しかし、現在でも女子のスター選手として君臨しており、12月30日にはオクタゴン(八角形)リングに復帰し、現世界バンタム級女王アマンダ・ヌネス(Amanda Nunes、ブラジル)との試合が予定されている。(c)AFP