【10月27日 AFP】世界反ドーピング機関(WADA)は26日、ロシアで国家ぐるみのドーピングが横行していた疑惑を暴いたリチャード・マクラーレン(Richard McLaren)氏による第2回報告書が、12月に公表される予定であると明らかにした。

 カナダ・モントリオール(Montreal)に本部を置くWADAは声明で、「リチャード・マクラーレン氏は2016年12月中旬までに、『第2回マクラーレン調査報告書』を公表する予定であると発表した」と明言。この報告書は当初、11月19日から20日まで行われるWADAの理事会に先立ち、公表されるとみられていた。

 WADAの依頼により、カナダ出身の法律専門家であるマクラーレン教授がまとめた報告書の第1弾では、WADAの認可を受けた露モスクワ(Moscow)の反ドーピング研究所において、グリゴリー・ロドチェンコフ(Grigory Rodchenkov)元所長がロシアの組織的なドーピングに関与していた疑惑の証拠が挙げられていた。

 ロシア政府が計画に関与していた証拠を発見したマクラーレン氏は、地元開催となった2014年のソチ冬季五輪およびパラリンピックで、ドーピング検査の結果を改ざんしていたことも報告していた。

 約30競技について物議が醸される中、ロシアは陸上競技連盟(ARAF)が国際大会で資格停止処分を科されたほか、今年のリオデジャネイロ五輪でも複数の競技で選手の出場が禁じられた。

 マクラーレン報告書第2弾でまとめられた主な内容について、WADAは明らかにしていない。(c)AFP