【10月27日 AFP】国連人道問題調整事務所(OCHA)は26日、イラク軍などがイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」からの北部モスル(Mosul)奪還作戦を17日に開始して以降、自宅を追われたイラク人が1万人を超えたと発表した。

 ISがイラクに持つ最後の主要拠点であるモスルに対しては、イラク軍などが北と東、南から包囲網を狭めている。精鋭部隊は同日までに、同市から5キロの地点まで迫っている。

 こうした中、OCHAは声明で「現在、1万500人余りが避難し、人道的支援を必要としている」と明らかにした。大規模な脱出が始まったことを示す兆候はみられないものの、避難者は過去2日で急増したという。

 ただ、援助団体がイラク軍のモスル到達時に発生を見込んでいる避難民の数に比べるとごくわずか。市内に残っているとみられる100万人超の住民の中にも、市外への退避を試みている人が出ている。

 援助団体はモスル周辺でキャンプの設営や支援物資の搬入を急いでいる。

 イラクでは2014年以降、紛争によって自宅を追われた国民が330万人を超えている。(c)AFP