【10月24日 AFP】南米ベネズエラ議会は23日、ニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領政権による、大統領罷免(リコール)を求める国民投票の妨害はクーデターであると宣言する決議を採択した。一院制の同国議会は野党が過半数を占める。

 ベネズエラ議会の野党議員らは同日、「憲法秩序の崩壊」と「ニコラス・マドゥロ政権により起こされたクーデター」を宣言する決議を採択し、大統領罷免をめぐる国民投票の手続きを中断する選挙管理委員会の決定に怒りをあらわにした。

 経済・政治危機に関する緊急の会議に集まった議員らは、ベネズエラ国民に憲法の「積極的擁護」を呼びかけ、民主主義を取り戻す「仕組みを作動」させるよう国際社会に要請すると宣言した。

 議会多数派で中道右派の野党連合、民主統一会議(MUD)のフリオ・ボルヘス(Julio Borges)党首は、「ベネズエラでは連続的なクーデターが起こされており、最終的にはわれわれから(大統領)罷免の国民投票を奪う決定がなされている。われわれは、遺憾で悲痛の憲法の破壊を公式に宣言する」と述べた。

 野党議員はマドゥロ大統領を裁判にかける投票こそ行わなかったが、同日の議題にかけることをほのめかした。一方の大統領派の議員らは、野党こそがクーデターを演じようとしていると非難している。

 マドゥロ大統領は現在、原油関連問題を話し合うために中東地域を訪問中だ。(c)AFP/Maria Isabel SANCHEZ