【10月22日 AFP】フィリピン南方沖で、韓国籍の貨物船の船長がイスラム過激派とみられる集団に拉致された。フィリピン当局が21日、発表した。

 事件があったのは20日で、現場は太平洋(Pacific Ocean)と南シナ海(South China Sea)の間を移動する商船が利用する広い海峡、シブツ海峡(Sibutu Passage)の南側の航路入口付近。

 襲撃されたのは韓国の大型貨物船ドンバン・ジャイアント2号(Dong Bang Giant 2、1万1400トン)で、同船を襲った10人の集団は、フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領が壊滅を誓っている、身代金目当ての拉致・誘拐などで知られるイスラム過激派組織「アブサヤフ(Abu Sayyaf)」を名乗ったという。

 マレーシアに拠点を置く国際海事局(IMB)の海賊情報センター(Piracy Reporting Centre)によると、この海域で大型商船がこうした襲撃を受けるのは初めてだという。

 現地の比軍報道官によると、集団は韓国人船長とフィリピン人の乗組員1人をスピードボートに乗せて拉致し、貨物船と他の乗組員はその場に残して去ったという。(c)AFP/Cecil MORELLA