【10月21日 AFP】男子テニス、元世界ランク1位で四大大会(グランドスラム)通算14勝を誇るラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)が20日、今シーズンを終了してリハビリに集中し、万全な体調で2017年シーズンのトロフィー獲得を目指すことを明らかにした。

 30歳のナダルは、左手首の故障により今年の全仏オープン(French Open 2016)を3回戦で棄権し、リオデジャネイロ五輪まで戦列を離れるなど、けがに悩まされる日々が続き、2季連続でグランドスラム無冠に終わった。

 ナダルは自身のフェイスブック(Facebook)で、「リオ五輪では、準備不足で完全に回復していないまま乗り込んだことは周知の通りだが、大会に出場してスペインのためにメダルを勝ち取ることが目標だった。それ以降、そうした無理がたたって痛みが生じたことで、今シーズンを終了し、2017年シーズンへ向けた準備を始めることを余儀なくされた」と説明した。

 現在、世界ランク6位につけているナダルは、先週の上海マスターズ(2016 Shanghai Rolex Masters)でヴィクトル・トロイキ(Viktor Troicki、セルビア)に敗れ、2回戦敗退を喫したが、来週行われるスイス・インドア(Swiss Indoors Basel 2016)やパリ・マスターズ(BNP Paribas Masters 2016)にも出場する意向を示し、シーズン最終戦のATPワールドツアー・ファイナル(ATP World Tour Finals 2016)の出場権争いでも好位置につけていた。

 ナダルは「来週のバーゼル(Basel)でプレーできなくなって、とても残念だ。この大会では素晴らしい思い出があり、昨年の決勝でもロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)と対戦した」とすると、「観客やスタッフの皆さんが、いつも僕にとても良いもてなしをしてくれるパリ・マスターズにも出場できなくなってしまった。今はとにかく休んで、2017年シーズンに向けての準備に集中していく」とつづった。

 2016年シーズンを通算39勝14敗の成績で終えることになったナダルは、モンテカルロ・マスターズ(Monte-Carlo Rolex Masters 2016)とバルセロナ・オープン(Barcelona Open Banc Sabadell 2016)でタイトルを獲得している。その一方で、全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2016)では初戦敗退に終わり、手首の故障で通算10度目となる全仏制覇の希望がついえると、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2016)の欠場も余儀なくされた。

 リオ五輪では、親友のマルク・ロペス(Marc Lopez、スペイン)と組んだダブルスで金メダルを獲得したナダルだったが、銅メダルを懸けたシングルスでは錦織圭(Kei Nishikori)の前に敗北。その後も、全米オープン(US Open Tennis Championships 2016)4回戦で、リュカ・プイユ(Lucas Pouille、フランス)にフルセットで敗れていた。

 また、ナダルの長年のライバルでグランドスラム通算17勝のフェデラーも、今年7月にひざの故障を理由にシーズンを終了。今回、ナダルが休養を決断したことにより、今季のツアー・ファイナルは2001年以降はじめてフェデラーとナダル不在で行われることになる。(c)AFP