【10月15日 AFP】男子テニス、上海マスターズ(2016 Shanghai Rolex Masters)は14日、シングルス準々決勝が行われ、大会第1シードのノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)は3-6、7-6(7-4)、6-3で世界ランク110位のミーシャ・ズベレフ(Mischa Zverev、ドイツ)を下し、準決勝に進出した。

 モチベーションや負傷で苦しむ前回大会覇者のジョコビッチは、第1セットを落とすと、第2セットはタイブレークにもつれ込んだ。スタジアムの熱気が高まる中、ズベレフが落ち着きを無くすとジョコビッチは4ポイントを先行してこのセットを奪い、さらに第3セットも手にして勝利を飾った。

 最終セットに入ってズベレフが意気消沈する中、ジョコビッチは自分のミスについて考えないように、ベースライン上でハミングをして落ち着きを保った。

「今までように時々怒りを爆発させることをしたりせず、その感情をメロディーに転換したんだ。思い出そうとしている、なんだっけ? マントラみたいなものじゃない。有名な歌さ。ハミングをして自分のミスを忘れるんだ、前のミスをね。それがうまくいったんだと思いたいね」

 独自の作戦で今シーズンの最も屈辱的な敗戦を免れたジョコビッチは、ここ数か月は「プライベートな問題」でモチベーションを無くしたと明かしており、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2016)やリオデジャネイロ五輪では早期敗退を喫していた。

 ジョコビッチは15日の準決勝で、ロベルト・バウティスタ・アグト(Roberto Bautista Agut、スペイン)と対戦する。バウティスタ・アグトは6-3、6-4で第9シードのジョーウィルフリード・ツォンガ(Jo-Wilfried Tsonga、フランス)を退けている。

 一方、ジョコビッチの世界ランク1位の座を奪おうと追い掛ける第2シードのアンディ・マレー(Andy Murray、英国)は、6-2、6-2で第11シードのダビド・ゴフィン(David Goffin、ベルギー)に快勝した。ジャック・ソック(Jack Sock、米国)を4-6、6-4、7-6(7-5)で下したジル・シモン(Gilles Simon、フランス)が勝ち上がりを決め、もう1試合の準決勝でマレーと相まみえる。(c)AFP/Talek HARRIS