【10月9日 AFP】8日に行われた16F1第17戦日本GP(Japan Grand Prix 2016)の予選後、メルセデスAMG(Mercedes AMG)のルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)が記者会見を早々に切り上げて退席した。自身に対する「失礼な」記事に抗議するためだという。

 6日の記者会見で、ハミルトンはひたすら携帯電話をいじり続け、世界中のメディアで一斉に批判されていたが、本人はそれが気に入らなかったようで、チームメートのニコ・ロズベルグ(Nico Rosberg)に次ぐ2番手で予選を終えた後、こう切り出した。

「実はきょうは、みなさんの質問に答えるためにここへ来たわけじゃない。それはもう決めたことだ」

「先日のあれはものすごく楽しいことで、僕の行動がみなさんに対して失礼だったとか、あるいは失礼だったとみなさんが感じたとすれば、僕の方にそんなつもりはまったくなかった。あれはちょっとしたお楽しみだった」

「それに、世界中で書かれた記事の方がもっと失礼だ。みなさんの多くは僕を全力で支持してくれるし、それには最大限の敬意を払っている。だけど残念ながら、それを利用してる人もいる。今回の決断が、僕の味方にも影響するのは残念なことだ」

 そしてハミルトンは、「それでも、こういう話題について今後も話すことはないだろう。だから謝るよ。そして週末を楽しんでほしい」と言って立ち去った。

 ハミルトンは7日の会見で、自分やほかのドライバーを写真を撮ってスナップチャット(Snapchat)に投稿。さらに、写真の選手にウサギの耳やひげを付けて加工したり、「こいつに殺される」と投稿したりしていた。何をしているのかと聞かれても、最初は聞こえていないふりをし、ようやく「みんなの写真を撮ってるだけさ。すごく面白い」と答えていた。

 日本へ来た時点で、ハミルトンはレースへの集中を欠いていた。前週のマレーシアGP(Malaysian Grand Prix 2016)で、パワーユニットが火を噴き、リタイヤを強いられたハミルトンは、これがチーム関係者の陰謀だとほのめかす発言をしていた。

 これに対して、技術責任者のパディ・ロウ(Paddy Lowe)氏が、「ひとかけらの知性があれば」そんなことはあり得ないとわかるはずだと反論し、ハミルトンとチームの間には険悪なムードが漂っていた。(c)AFP/Alastair HIMMER