■「最も弱い立場」にある子どもたち

 非情な軍政が半世紀にわたって続いたミャンマーでは、このたび民主的に選出された新政権が改革を目指す上で、児童労働の撲滅は重要な課題となる。

 危機管理コンサルティング企業「ベリスク・メープルクロフト(Verisk Maplecroft)」はミャンマーを、児童労働問題がインドやリベリアなどに次いで世界で7番目に深刻な国だとしている。

 国連(UN)が実施した2014年のデータ分析によると、ミャンマーでは10~17歳の子どもの5人に1人、約170万人が労働に従事しているという。

 過去に強制労働を経験した子どもたちを支援するNGO「イコーリティー・ミャンマー(Equality Myanmar)」のアウン・ミョー・ミン(Aung Myo Min)代表は、「彼らは最も弱い立場にある」と指摘する。そして、「そうした子どもたちの多くが恐怖におののきながら生きている。自分は価値のない人間だと感じている。奪われた子ども時代は、二度と取り戻せない」と付け加えた。

 サン・ケー・カインさんとタジンさんの家族は、警察に2人の救出を繰り返し要請したが、何ら対応してもらえなかったと話した。

 サン・ケー・カインさんの母親は、娘を働きに出すことは二度とないとしながら、「もうどこへも行かせたりはしない。家に居させるつもり」と語った。

 一連の事件を受け、ミャンマー国家人権委員会(MNHRC)の委員ら4人が6日、辞意を表明している。同委員会は、委員11人で構成されているが、中には前軍事政権時の公人も含まれているという。(c)AFP/Hla-Hla HTAY