【10月7日 AFP】陸上男子棒高跳びの世界王者、ショウナシー・バーバー(Shawnacy Barber、カナダ)が6日、インターネット上で出会った女性と一夜を過ごした直後に行われた大会のドーピング検査でコカインの陽性反応を示したものの、リオデジャネイロ五輪への出場が認められていたことが明らかになった。

 カナダスポーツ紛争解決センター(SDRCC)は、本件が審理されてから約2か月後に公表した裁定で、案内広告投稿サイトの米クレイグスリスト(Craigslist)を通じて出会った女性との性行為で、自身の体内にコカインが流入したと根拠を示したバーバーが、処分を免れたと発表した。

 カナダ陸上競技連盟(AC)を通して出した声明でバーバーは、「この件が過ぎ去ってくれてうれしい。これでやましさを持たずにキャリアを進めることができる」と話した。

 第15回世界陸上北京大会(15th IAAF World Championships in Athletics Beijing)で優勝を飾ったバーバーはまた、「一連の行動の間、決して自分自身がコカインで汚されている可能性に思慮が及ぶことはなかった。今回の一件から私が学んだように、他のアスリートにとっても意味のある人生経験の一つだだと思う」と付け加えた。

 22歳のバーバーはエドモントン(Edmonton)で行われたカナダ陸上選手権(Canadian Track and Field Championships)で、国内最高記録をたたき出して優勝した直後の7月9日、コカインの陽性反応が検出された。

 SDRCCの裁定によると、バーバーは同大会の競技前日の夜、仮名を使って利用したクレイグスリストを通して女性と出会ったという。「非麻薬使用者で病気を持たない」、「プロ」の女性をリクエストしたというバーバーは、「ストレスのはけ口」を求めて、女性との密会を望んでいたという。

 いくつかの返信を無視していたバーバーは、最終的に2児の母だという女性と落ち合った。しかし、指定の場所に現れた女性は自身のボーイフレンドを伴い、男性はバーバーが同女性との行為に及ぶ際も、「近く」に居たという。

 またバーバーは、会う直前に女性がコカインを使用していたことを知らなかっただけでなく、一緒にいた際にも女性が薬物を鼻から吸引していたことも認識していなかったといい、その後出た陽性反応は「この上ないショック」だったと明かした。

 問題となっている女性はその後、同選手のために今回の薬物事件について証言に臨んでいる。(c)AFP