【10月7日 AFP】カリブ海(Caribbean Sea)の島国ハイチで、「怪物級」とされる大型ハリケーン「マシュー(Matthew)」の上陸による死者が100人を超えたことが6日、明らかになった。マシューが直撃する見通しの米南東部沿岸では約300万人に緊急避難命令が出された。

 貧しく災害対策が不十分なハイチは、4日のマシュー上陸によって国土が分断された状態が続いている。フランソワ・アニク・ジョゼフ(Francois Anick Joseph)内相によると、これまでに少なくとも108人が死亡。うち50人は沿岸部が壊滅的な被害を受けた南部の町での犠牲者だという。

 マシューは6日にはバハマを襲い、屋根を吹き飛ばして木々をなぎ倒し、停電をもたらした。現在は米フロリダ(Florida)州に接近しながら再び勢力を増しており、国立ハリケーンセンター(NHC)は同日、その強さを5段階評価で2番目に強いカテゴリー4に引き上げた。

 バラク・オバマ(Barack Obama)大統領はフロリダ州に連邦非常事態を宣言。フロリダ州のリック・スコット(Rick Scott)知事は、マシューの最大風速は約67メートルに達する恐れがあり、壊滅的で猛烈な嵐になると警告している。

 避難命令が出された住民の数は、フロリダ州で約150万人、ジョージア(Georgia)州の沿岸6郡で約52万人、サウスカロライナ(South Carolina)州などその他の沿岸州で計100万人以上に達している。

 NHCによると、マシューの接近に伴い今後、2階建ての建物の高さに相当する最大5メートル50センチの高波が観測される恐れがあるという。(c)AFP/Kerry SHERIDAN with Daniel WOOLLS in Washington