【10月5日 AFP】過激な発言で知られるフィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領は4日、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領に対し「地獄へ落ちればいい」と言い放つとともに、同国が何十年も維持してきた米国との同盟関係を断絶し、代わりに中国やロシアとの関係を強化していく可能性をちらつかせた。

 米比両軍は現在、毎年恒例の合同軍事演習を行っている。ドゥテルテ大統領は先に、自ら掲げる犯罪撲滅戦争で多数の死者が出ていることに対する米国の批判に反発し、自身の在任中には今回の合同演習が最後になるかもしれないと警告していた。

 ドゥテルテ氏は、4日に行った2つの演説で、米国や国連(UN)、欧州連合(EU)から人権を尊重すべきだとたしなめられたことに対する不満を並べ、「私は米国に対する尊敬の念を失った」として、「オバマ氏は地獄へ落ちればいい」と言い放った。

 ドゥテルテ氏はさらに、米国人は「偽善者」だと切り捨て、相互防衛条約も締結している両国の同盟関係を完全に断ち切る時が来るかもしれないと警告。

「私の在任中に、米国と決別するかもしれない。ロシアや中国の方がいい。われわれが両国のイデオロギーには賛成できなくても、中露には人々への敬意がある。敬意は大事だ」と語った。(c)AFP