【10月5日 AFP】米グーグル(Google)は4日、自社開発した新型スマートフォン「Pixel(ピクセル)」など、AI(人工知能)アシスタント機能を搭載する一連の新製品群を発表した。ハードウエア部門の強化により、アップル(Apple)やサムスン電子(Samsung Electronics)、アマゾン・ドットコム(Amazon.com)といった競合他社に挑戦状をたたきつけた形だ。

 グーグルはPixelの他、新たなアシスタント端末「ホーム(Home)」や仮想現実(VR)ヘッドセット、Wi-Fiルーターシステムの詳細も発表した。

 今回の発表は、AIを搭載した「グーグル・アシスタント(Google Assistant)」をすべてのインターネット機器をまとめる存在として位置付けるグーグルの新戦略に向けた一つの転換点となった。

 グーグルのスンダル・ピチャイ(Sundar Pichai)最高経営責任者(CEO)は、今回発表された製品群は、AIをさまざまな新型機器に搭載するという戦略の一環と説明。「われわれは、モバイルありきの世界から、AIありきの世界へと進化を遂げている」と述べた。

 Pixelは5インチまたは5.5インチのディスプレーを搭載し、米国での価格は649ドル(約6万7000円)からで、アップルの「iPhone(アイフォーン)」最新モデルと同価格帯だ。予約受け付けは4日にオーストラリア、カナダ、ドイツ、英国、米国で開始した。

 グーグルはこれまで、自社製スマートフォンの旗艦モデルを、中国の華為技術(ファーウェイ、Huawei)や韓国のLGといったハードウエア製造企業との提携の下、「ネクサス(Nexus)」ブランドとして展開してきた。

 新型スマートフォンのPixelは「中から外まですべてがグーグルによって開発された初めての携帯電話」(Pixel製品管理担当者)だという。ハードウエアと基本ソフト(OS)「アンドロイド(Android)」の双方を自社開発することにより、アップルに対するより直接的な攻勢に打って出た形だ。(c)AFP