■あらゆる国でプレー可能な種目

 第5回アジアビーチゲームズで行われた3x3の男子決勝では、カタールがモンゴルを倒して金メダルを獲得。3位決定戦では、試合終了間際に劇的なブザービーターで3ポイントシュートを決めたイランが、1点差でタイを下して銅メダルを手にした。一方女子では、すでに3x3の代表選手を育成するプログラムを開始している中国が、決勝でタイを下して金メダルを獲得し、台湾が銅メダルを手にした。

 ウィドマー氏は「新興国にとってこれは新たなチャンスであり、アジアビーチゲームズに出場したチームの中には良い先例もみられた。大会のレベルは驚くほど高いものであり、チームがこの種目に集中して準備と練習を進めてきたことが分かる。単にバスケットボールを知っている選手を連れて来るのではなく、3x3でプレーするための訓練を積んできた選手を送り込んでいた」と分析している。

「これはあらゆる国でプレー可能な種目だ。多くの設備を必要としないため、小さな国でも費用をかけずに、どんな場所でもプレーすることができる」と話すウィドナー氏は、五輪種目に追加された場合、米プロバスケットボール協会(NBA)の選手が3x3でプレーする可能性について考えるのは時期尚早であるという見解を示した。その一方で、FIBAとしては、ほとんどの国が個別の選手団を育成してきた7人制ラグビーやビーチバレーに倣うことを期待していると明かし、さらには5人制バスケで活躍するスター選手が、3x3への挑戦に興味を持つだろうと話している。

「3x3専門のチームや選手には、5人制バスケで活躍している選手を倒すことを目標にしている良いお手本がいる。われわれは各国のオリンピック委員会(NOC)が、専門の選手の育成に力を入れていくと期待している。一方、これは新たなチャンスでもあり、5人制バスケでも3x3に興味を示す選手が出てくると確信している」

(c)AFP/Julian LINDEN