【10月1日 AFP】米大統領選の共和党候補、ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏は9月30日、自身の支持者に対し、民主党候補のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)前国務長官を支持する元ミス・ユニバース(Miss Universe)のアリシア・マチャド(Alicia Machado)さんの性行為を映したとされる動画を観るよう呼び掛けた。これに対しクリントン氏は、トランプ氏は「常軌を逸している」と反撃。選挙戦は泥仕合の様相をさらに強めている。

 1996年のミス・ユニバース世界大会にベネズエラ代表として出場し優勝したマチャドさんは、同大会運営会社を所有していたトランプ氏にその後、体重増加を公の場で辱められ、「ミス子豚」や「ミス家政婦」と呼ばれるなどの侮辱を受けたと主張している。

 マチャドさんの経験は、26日夜の大統領選討論会で、トランプ氏の女性に対する扱いの例としてクリントン氏に紹介され、注目を集めていた。

 これを受けトランプ氏はツイッター(Twitter)で30日未明、以下の連続投稿を行った。

「いんちきヒラリーは史上最悪のミス・ユニバースに騙され、利用されている。ヒラリーは彼女の過去も調べずに、天使に仕立て上げた。最悪だ!」

「討論会でアリシア・Mを模範的な人格者として利用したことで、いんちきヒラリーのスタッフは、いかに拙い判断力を持ち合わせているかを露呈した。ヒラリーはペテン師に騙された」

「いんちきヒラリーは、不快極まるアリシア・M(セックスビデオと過去を調べてみろ)を討論会で利用するために、彼女が米国民になる手助けをしたのか?」

 クリントン氏もすかさずツイッターで反撃。今回の辛らつな攻撃により、トランプ氏が大統領になるための堅実さや気性を欠いていることが裏付けられたと主張した。

 クリントン氏は、トランプ氏がマチャドさんのセックスビデオ疑惑に言及したことについて「この発言は、トランプにしても常軌を逸している」と批判。「一晩中眠らず、嘘や陰謀説で女性を中傷するなんて、いったいどんな人間のすることか」、「ドナルドは、自分の気に障ることが起きるとすぐに暴言を吐き、受け流すことができない」と非難した。

 ファクトチェッキング(事実検証)サイト「スノープス(Snopes)」によると、トランプ氏が言及しているセックスビデオは、マチャドさんがリアリティー番組に出演した際、別の出演者とベッドの中に入っている場面を撮影されたものを指しているもようだ。

 マチャドさんは男性誌プレイボーイ(Playboy)にも写真が掲載されたことがある。近年にはマチャドさんが出演したとされるポルノ動画が拡散したが、これは偽物だったことが判明している。(c)AFP/Brian KNOWLTON