【9月30日 AFP】(更新、写真追加)フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領(71)は30日、自らの掲げる「麻薬撲滅戦争」をナチス・ドイツ(Nazi)の指導者アドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)によるユダヤ人大虐殺になぞらえ、数百万人の麻薬中毒者を「喜んで虐殺する」と発言した。

 ドゥテルテ大統領はこの日、ベトナム訪問から帰国し地元ダバオ(Davao)で演説。「ヒトラーは300万人のユダヤ人を虐殺した。(フィリピンには)現在300万人の麻薬中毒者がいる。私は喜んで彼らを虐殺しよう」と語った。

 さらに「少なくともドイツにヒトラーが現れたのだから、フィリピンにも現れるだろう」と述べ、一旦間を置いた後、全ての犯罪者を犠牲にしても「わが国の問題を終わらせ、次の世代を破滅から救いたい」と続けた。

 ドゥテルテ大統領はまた、自分がジェノサイド(集団虐殺)の罪で国際法廷に引き出される恐れがあるとの見方を示した上で、フィリピンの法律には一切違反していないと主張し、「ばかげている」と一蹴。その上で、中東から拡大した移民危機に対する欧州連合(EU)や米国の無策ぶりを攻撃し「米国よ、EUよ、私のことを何と呼ぼうが構わない。だが私は、これまでもこれからも、お前たちのような偽善には陥らない」と述べた。

 ドゥテルテ氏は5月の大統領選で、10万人を殺害する前代未聞の「麻薬撲滅戦争」で社会にまん延する麻薬を一掃すると公約して圧勝。大統領就任から3か月で、国内では3000人以上が死亡している。(c)AFP