【9月30日 AFP】インド特殊部隊は29日、パキスタンと領有権を争っているカシミール(Kashmir)地方の実効支配線付近で奇襲攻撃を行った。パキスタン側は「あからさまな侵略行為」だと強く非難した。

 インドではカシミール地方にある陸軍基地の一つが最近襲撃されたことをめぐり、怒りが広がっている。当局者らは、インド特殊部隊が実効支配線から数キロパキスタン側に入った場所で「局部攻撃」を実施したと認めた上で、インド国内の主要都市を狙って計画されている攻撃を未然に防ぐためだと説明した。

 インド側は、「テロリストを無力化する」ための攻撃で「複数の死傷者」が出たとしている。

 一方パキスタン側は、自軍の兵士2人が死亡し、9人が負傷したと発表。その攻撃は小火器によるもので、局部攻撃だったという主張は「メディアによる誇張」をあおるための「作り話」だと断じた。

 今月18日、カシミール地方のインド陸軍基地が襲撃を受けて兵士18人が死亡するという、過去10年で最悪の事件が発生。インド政府が、パキスタン国内に拠点を置く過激派が関与したとの見方を示してパキスタンを非難してからというもの、長年の宿敵で事実上の核保有国である両国間の緊張が高まっている。

 インド側は27日、11月にパキスタン首都イスラマバード(Islamabad)で開かれるサミットにナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相は出席しないと表明していた。(c)AFP/Abhaya SRIVASTAVA with Masroor GILANI in Islamabad