【9月29日 AFP】(更新、写真追加)米カリフォルニア(California)州で27日午後、不審な挙動をしていたとされる黒人男性が警察に射殺される事件があった。現地ではすぐさま、警察の行為を不当な殺害だと抗議する人々が集まった。また、男性が精神を患っていた可能性も伝えられている。

 米国では警察が黒人男性を死亡させる事件が相次ぎ、各地で怒りの声を引き起こしている。

 事件が起きたのはサンディエゴ(San Diego)から24キロ東のエルカホン(El Cajon)。射殺されたのはウガンダ出身の難民の男性、アルフレッド・オランゴ(Alfred Olango)さん(38)。

 地元警察によると、挙動不審な人物が車道を歩いているとの通報を受けた警官2人が、現場のレストランの裏で同じ場所を何度も行ったり来たりしていた男性を発見。警官らは男性にポケットから手を出せと命じたが、男性は拒否したとされる。

 警官2人が男性に話しかけようとしたところ、男性が「ズボンのポケットから物を取り出し、両手を合わせて急に警官に向けて伸ばし、銃を構えるような姿勢を取った」ため、警官のうちの1人が発砲したという。

 地元警察は、男性が手にしていた物が何だったかは明らかにしていないが、現場から銃器は回収されなかったと説明している。

■精神患っていた可能性も

 一方、ある目撃者がフェイスブック(Facebook)に投稿した動画には、オランゴさんの姉妹と名乗る女性が取り乱した様子で、精神疾患があるオランゴさんを助けてもらおうと警察を呼んだと話す姿が映し出されている。

「あなたたちは私の兄弟を殺した。助けてもらおうと思って呼んだのに。私の目の前で殺した」と泣き叫ぶ女性を映した動画は28日午後時点で11万回以上視聴されている。(c)AFP