■トランプ氏、IS打倒プラン示さず

 トランプ氏にとって最大のハンディキャップは政策に関して素人同然と非難する声かもしれない。この非難に反論するためトランプ氏は、中東が無秩序状態になる原因をつくったのは国務長官在任中のクリントン氏だと主張した。

 しかしトランプ氏はイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」打倒に向けた自身のプランについて「あなたは、あなたがやろうとしていることを全部敵に教えてしまっている」と述べ、明らかにすることを拒否。確固たる見通しを持っていないことをうかがわせた。

 ジョージ・H・W・ブッシュ(George H.W. Bush)元大統領やドワイト・アイゼンハワー(Dwight Eisenhower)元大統領以来、大統領になる資格を最もよく備えているとも言えるクリントン氏は大規模な組織力と潤沢な資金力という強みを持っている。世論調査でも優位を保ち、州別にみてもトランプ氏より非常に有利な立場にいる。

 しかし、クリントン氏の不人気ぶりは根強い。民主、共和両党への支持で二分された米国でクリントン氏に好印象を持っていると世論調査で答えた有権者は40%しかおらず、これまでのところオバマ大統領が誕生した時のような熱狂を生み出せていない。

 今回の大統領選で必ず投票すると答えた18~34歳の有権者はわずか47%。この割合はオバマ氏が初めて大統領に選出された時は74%だった。(c)AFP/Jennie MATTHEW, with Andrew Beatty in Washington