【9月30日 AFP】メキシコ南西部ゲレロ(Guerrero)州イグアラ(Iguala)市で学生43人が失踪した事件からおよそ2年。いまだ事件の全容がつかめない中、学生たちが通っていたアヨツィナパ(Ayotzinapa)の教員養成大学には、事件発生の翌日から20人ほどの親たちが真相究明とわが子の発見を願って寝泊まりを続けている。

 学生らはメキシコ市(Mexico City)での抗議行動に利用しようと、バスを奪いにイグアラへ向かい、地元警官らから襲撃された。連邦検察庁によると、学生たちは警官らによって麻薬組織に引き渡されたとされているが、その後については激しい議論が繰り広げられている。

 検事総長事務局は当初、麻薬組織は学生たちを敵対する組織のメンバーと勘違いして殺害し、ごみ埋め立て処分場で焼却して遺灰を近くの川に捨てたと説明していた。川から見つかった人骨片が不明学生1人のものと特定されている。

 しかし、独立調査を行っていた米州人権委員会(IACHR)は、埋め立て地で焼却されたと結論付ける科学的な証拠はないとして、検察当局の見方を否定している。(c)AFP/David SANTA CRUZ