【9月25日 AFP】フィリピンのペルフェクト・ヤサイ(Perfecto Yasay)外相は24日、ロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領の麻薬撲滅戦争が非難されていることに反論し、干渉しないよう国連(UN)に求めた。

 ヤサイ外相は国連総会(UN General Assembly)で演説し「皆さんには、不当な干渉をすることなくわが国が国家目標を達成するため国内の課題に対処することを認めるよう強く求める」と述べた。

 人権団体がフィリピンの治安部隊が超法規的殺人を行っていると主張するなど、ドゥテルテ大統領の犯罪取り締まりによる死者の増加をめぐって国際的な懸念が高まっている。警察の統計によると、6月30日のドゥテルテ大統領就任以来約3000人が殺害されている。その3分の1が警官に射殺され、残る3分の2が正体不明の襲撃者によって殺害された。

 ヤサイ外相は「わが国が法執行機関の職員に麻薬犯罪の容疑者を射殺する権限を与えたことはないし、これからも与えることは決してない」「わが国の社会、わが国の刑事司法制度に超法規的殺人などは存在しない」と語った。

 ヤサイ外相はフィリピン国民の92%がドゥテルテ大統領を支持しているとした上で、ドゥテルテ大統領の麻薬撲滅作戦が誤解されているという見方を示すとともに、国連が昨年採択した持続可能な開発目標(SDGs)を引き合いに出し、汚職や麻薬問題への対処なくしてフィリピンが当該目標を達成することはできないと述べた。(c)AFP