【9月24日 AFP】米大リーグ(MLB)のシアトル・マリナーズ(Seattle Mariners)は23日、控え捕手のスティーブ・クレベンジャー(Steve Clevenger)に対し、同国南部ノースカロライナ(North Carolina)州シャーロット(Charlotte)の事件に抗議するデモ隊について、「動物のようにおりに閉じ込めておけ」とツイッター(Twitter)に不適切なコメントを投稿したことで、今季いっぱい無給での出場停止処分を科した。クレベンジャーは自身の発言を謝罪している。

 マリナーズの上級副社長兼ゼネラルマネジャー(GM)のジェリー・ディポト(Jerry Dipoto)氏は、「昨日スティーブが投稿したツイッターの内容を把握した直後に、われわれはチームにおける彼の処遇ついてあらゆる選択肢を模索した」とすると、「本日われわれは彼に対して、今季残りの試合を無給で出場停止処分にすることを通知した」と述べた。

 クレベンジャーの投稿について、マリナーズはすでにチームの公式ツイッターで「とても失望した」とコメントし、「彼には表現の自由があるが、彼のツイート内容はシアトル・マリナーズの意見を何ら代弁するものではない」と強調している。

 シャーロットでは、20日に黒人男性のキース・ラモント・スコット(Keith Lamont Scott)さん(43)が黒人警官に射殺される事件が発生し、これに抗議するデモが行われている。

 クレベンジャーはまた、黒人男性が警官に射殺された事件をきっかけに拡大した抗議運動「ブラック・ライブズ・マター(Black Lives Matter、黒人の命は大切だ)」についても、ツイッターで皮肉るようなコメントを出していたが、22日遅くには非公開にされていた。

 しかし、シアトル(Seattle)のラジオ局KOMOのレポーターがクレベンジャーの2件の投稿をスクリーンショットで保存していた。

 その中でクレベンジャーは、「悪党が銃を持った黒人警官に撃ち殺された時、黒人は白人を痛めつけた」、「BLM(ブラック・ライブズ・マター)が、またしても感情的になっている。(バラク・)オバマ(Barack Obama)大統領が、またしても感情に訴えている。関係者は全員、動物のようにおりに閉じ込めておけ!」などとつづられていたことが明らかになっている。

 クレベンジャーは自身のツイートが引き起こした「騒動」について、22日に謝罪する一方で、代理人を通じて発表した声明で、「自分の発言が人種差別ととらえられるのは不快に感じる」と話している。

 今季マリナーズで22試合に出場している30歳のクレベンジャーは、今回の処分により年俸から3万4000ドル(約340万円)を差し引かれることになる。(c)AFP