【9月23日 AFP】タイヤ、ガラス、ペットボトルなどでつくられ、送電網に接続せず、汚染を生まない建物──ウルグアイのある村に、全面的に「持続可能」な学校がある。そしてその学校はグリーン(環境)に対する市民権についての大胆な試みの場でもある。

 3~12歳を対象としたハウレグイベリ(Jaureguiberry)の村の学校は、3月に開校した。南米で初めての、環境に配慮した全面的に「グリーン」な公立学校を自認し、国の送電網につながってもいない。

 こうした学校建設計画の立役者の一人、米国の建築家マイケル・レイノルズ(Michael Reynolds)氏(70)は、廃棄物を利用する自給自足プロジェクトに長年携わり、「ごみの戦士」と呼ばれる人物だ。

 レイノルズ氏は、人間の生活を自立的に支え、維持するための「アースシップ・バイオテクチャー(Earthship Biotecture)」と自称する建築を編み出した。

 ハウレグイベリの学校の建設には、木材やガラス、セメントの他に、タイヤ2000個、ガラスの瓶3000本、ペットボトル1500本が使用された。

 ウルグアイのメディアによると、地元の慈善団体と企業が支援したこの学校建設の総費用は推定30万ドル(約3000万円)だったという。

 この学校は廃棄物を出さず、3つある教室の向かいには、堆肥を使った家庭菜園があり、バジルやトマト、イチゴなどが育っている。

 屋根には太陽光パネルが設置されている他、雨水をためて、浄化処理した後に菜園やトイレで使用している。また菜園の上には大きなガラス窓が設けられている。

 子どもたちは自分たちで育てた果実や野菜を収穫するなど、週に1回1時間を菜園に費やす。野菜や果実は食堂で子どもたちが食べることになる。

「自分で体験するのが最良の学習方法」とアリシア・アルバレス(Alicia Alvarez)校長(51)は話した。この学校に通う子どもたちが将来、ここで学ぶことを生かすかどうかは分からないが、いずれにせよ、「すでに種はまかれた」と同校長は語った。(c)AFP/Mauricio RABUFFETTI