【9月19日 AFP】カナダのトロント(Toronto)で開催されたトロント国際映画祭(Toronto International Film Festival)で18日、エマ・ストーン(Emma Stone)とライアン・ゴズリング(Ryan Gosling)主演のミュージカル映画『La La Land』が観客賞を受賞した。最高賞にあたる同賞の受賞で米アカデミー賞(Academy Awards)に向けて弾みがつきそうだ。

 『La La Land』はデイミアン・チャゼル(Damien Chazelle)監督が米ロサンゼルス(Los Angeles)を舞台にストーン演じる売れない女優とゴズリング演じる貧しいジャズピアニストの恋を描いた楽しさと夢にあふれた作品。2人は偶然の出会いを重ね、ダンスを通じて引かれあうようになる。往年の名作ミュージカル映画『トップ・ハット(Top Hat)』『雨に唄えば(Singing in the Rain)』や『グリース(Grease)』へのオマージュなど米国のミュージカル映画黄金期への敬意に満ちた映画だ。

 ストーンとゴズリングは2011年のロマンチックコメディー『ラブ・アゲイン(Crazy, Stupid, Love)』以来の共演となった。トロントに先駆け8月下旬に開幕したベネチア国際映画祭(Venice International Film Festival)でのオープニング上映でも、批評家や映画愛好家に絶賛されている。

 トロント国際映画祭は、映画制作会社や配給会社にとってアカデミー賞を占う試金石となっている。ここ数年は『それでも夜は明ける(12 Years a Slave)』(2014年)『英国王のスピーチ(The King's Speech)』(2010年)『スラムドッグ$ミリオネア(Slumdog Millionaire)』(2008年)などがトロントで観客賞を受賞した後、アカデミー賞の作品賞に輝いた。

 今年の観客賞候補には、ガース・デイビス(Garth Davis)監督の初作品『Lion』、ミーラー・ナーイル(Mira Nair)監督、オスカー女優ルピタ・ニョンゴ(Lupita Nyong'o)主演の『Queen of Katwe』などの名があがっていた。

 『Queen of Katwe』はチェスの国際大会で優勝する夢を追うウガンダの少女の実話を描いた作品。『Lion』も実話を基にした作品で、自宅から1600キロも離れた場所で迷子になり家族と生き別れてしまったインド人の少年が25年後に家族を捜し出すというストーリー。原作はサル―・ブライアリー(Saroo Brierley)氏が自身の体験を基に記した「25年目の『ただいま』(A Long Way Home)」で、映画では『スラムドッグ$ミリオネア』のデヴ・パテル(Dev Patel)のほか、ニコール・キッドマン(Nicole Kidman)やルーニー・マーラ(Rooney Mara)らが出演している。(c)AFP/Michel COMTE