【9月16日 AFP】パキスタン中部の村で15日、3人の子どもがいる母親の女性と、不倫相手とされる男性が木に吊り下げられて殺害された。警察は女性の夫と兄、父親の犯行としており、国内で後を絶たない「名誉殺人」とみられる。

 凄惨な殺人が起きたのは、パンジャブ(Punjab)州ムルタン(Multan)市の北東55キロほどにあるチャク(Chak)村。地元警察署長によると、20代後半の女性と19歳前後の男性が女性の自宅裏庭で密会していたところを夫と父親、兄が見つけ、2人を首から吊るして殺害した。

 容疑者3人は全員逮捕され、犯行を認めた。不倫が疑われる関係については夫が共犯者2人に知らせていたという。

 パキスタンでは名誉殺人が年数百件起きており、7月にはソーシャルメディア上の有名人だったカンディール・バローチ(Qandeel Baloch、本名:ファウジア・アジーム、Fauzia Azeem)さんが実の兄によって殺害された。こうした事態を受けて法相が先ごろ、名誉殺人対策などの法案が議会で近く可決されるとの見通しを示していた。

 名誉殺人の加害者は家族から罪の許しを求めることができるため、処罰されないことが多い。新法はこうした慣行の廃止を目指すものだが、審議日程ははっきり決まっていない。(c)AFP