【9月16日 AFP】自転車ロードレースのアルベルト・コンタドール(Alberto Contador、スペイン)が、所属しているティンコフ(Tinkoff)を離れて来季から米国のトレック・セガフレード(Trek Segafredo)へ移籍し、自身3度目のツール・ド・フランス(Tour de France)制覇を目指すことが15日、明らかになった。

 コンタドールは契約を結んだトレックが出した声明の中で、「目の前の機会にわくわくしている。トレック・セガフレードは魅力にあふれ、自分を鼓舞してくれる大きな目標を掲げている」と語った。

「チームとは素晴らしい話し合いが持てた。僕らには目標や優先事項でたくさんの共通点がある。大きな目標としては年間で最も重要なレースに勝つこと。すなわちツール・ド・フランスが最優先だ」

 トレックの広報担当者は、ドーピング違反で出場停止処分を科された過去を持つコンタドールと、2017年1月から2018年の終わりまで契約したと明かした。コンタドールは2010年のツール終盤の検査で、自身の検体が筋肉増強剤クレンブテロール(clenbuterol)に陽性反応を示して出場停止処分を科され、当初の獲得した総合優勝のタイトルを剥奪されている。

 2007年と2009年にツールを制しているコンタドールは、今季の主な目標に掲げていた同レースに集中するため、ジロ・デ・イタリア(Giro d'Italia 2016)への出場を見送った。しかし、今年のツールでは最初の2ステージで落車して体の右側全体を負傷した影響で、第9ステージでの棄権を余儀なくされた。

 コンタドールはさらに、これまで3度(2008年、2012年、2014年)優勝しているブエルタ・ア・エスパーニャ(Vuelta a Espana 2016)でも落車によるけがの影響で不振にあえぎ、モビスター・チーム(Movistar Team)のナイロ・キンタナ(Nairo Quintana、コロンビア)に総合優勝をさらわれている。

 トレックへの加入で再び来季での活躍が期待されるコンタドールは、現在33歳という年齢に加え、今年は2年続いていたグランツール(三大ツール)での優勝を逃しているが、そこでタイトル数を増やすことができれば大きな快挙となる。

 コンタドールは「今回の決断では、チームのポテンシャルが重要な決め手となった。このチームはパフォーマンスを重視していて、山岳だけでなくあらゆる地形において経験豊富なライダーがそろった強力な集団だ」とすると、「いろんな国籍のライダーを擁するオープンなチームであることも気に入っている。このチームなら最高の組織力を与えられ、レースでも最高のコンディションをもたらしてくれると確信している。私は勝つためにレースをする。そしてこのチームに心血を注ぐ覚悟だ」と意気込んだ。

 今回の移籍では、コンタドールと2000年から2005年、そして2009年から現在までチームメートであるヘスス・エルナンデス(Jesus Hernandez、スペイン)も一緒にトレックに加入することになるとみられる。(c)AFP/Daniel SILVA