【9月15日 AFP】ブラジルの連邦検察は14日、ルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ(Luiz Inacio Lula da Silva)元大統領を汚職容疑で訴追した。検察はルラ氏を、国営石油会社ペトロブラス(Petrobras)を舞台とした大規模な公金横領事件の首謀者と断じている。

 訴追内容は、ルラ氏が370万レアル(約1億1300万円)相当の賄賂を受け取ったというもの。ルラ氏とその妻は、ペトロブラスをめぐる汚職に関与したとされる企業の一つである地場建設大手のOASから、海沿いのアパートとその改修費を提供された疑いなどがもたれている。

 これらの容疑は新しいものではないが、ペトロブラスをめぐる汚職事件の捜査を率いるセルジオ・モロ(Sergio Moro)連邦判事が訴追を認めれば、ルラ氏の件は裁判に持ち込まれることになる。

 ルラ氏は繰り返し無実を主張しており、訴追は政治的な動機に基づくものだと反発している。

 左派・労働党(PT)の設立者であるルラ氏は、世論調査では2018年の次期大統領選挙での返り咲きが有力視されている。(c)AFP/Damian WROCLAVSKY