盲目の写真家、描き出すのは心に映ったパラリンピック
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■「親密さをとらえたい」
マイアはトラックに背を向け、幅跳びの砂場に居場所を見つけた。小さな競技スペースと、目前で繰り広げられるドラマ。マイアにとっては完璧な環境だ。それでも、彼は常に向上心を忘れない。
「いい感じです。今は砂をならしている。そうでしょう?」と言うと、マイアはじっと耳を澄ます。「倍率はこれで合ってますか?選手が走りだしたら教えてください。準備しますから」
選手が宙を舞い、マイアは写真を次々に撮っていく。レファーがフランス国旗を体に巻き付け、そこから義足だけがのぞいている写真。オランダのマーリーン・ファン・ハンセヴィンケル(Marlene van Gansewinkel)と英国のステファニー・リード(Stefanie Reid)が、おしゃべりをしながら競技終了を待っている写真。
「動きだけじゃありません。僕はそうした選手の親密さもとらえたいんです」マイアはそう語る。
実は、マイア自身もパラリンピック出場を目指した時期があったが、選手たちのレベルはあまりにも高かった。今は郵便局からの給付金で暮らしながら、スポーツこそが「僕にとってすべて。今はカメラを使ってそれを追う毎日」という生活を送っている。
次の目標も決まっている。2020年の東京パラリンピックだ。
「少なくとも、夢ではあります」
(c)AFP/Javier TOVAR