【9月11日 AFP】米大統領選の民主党候補ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)前国務長官は10日、共和党の対立候補ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏の支持者の半数は「嘆かわしい人」だと発言したことを後悔していると述べた。トランプ氏はこの発言を「クリントン氏の選挙運動期間中最悪の失態」として激しく非難していた。

 クリントン氏は9日夜、ニューヨーク(New York)で開催された「ヒラリーを支持するLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)」と銘打たれた資金調達イベントで次のように発言し、非難の的となった。

「大ざっぱに言ってしまえば、トランプ氏の支持者の半数はいわゆる嘆かわしい人というくくりに入れることができると思う」「人種差別主義者、性差別主義者、同性愛嫌悪者、外国人嫌悪者、イスラム嫌悪者などが挙げられる。残念ながらそのような人々は存在する。彼(トランプ氏)はこうした層の支持を集めている」

 クリントン氏は同性愛者の権利活動家の支持者らを前に、こうした人々は「救いようがないが、ありがたいことに彼らはアメリカらしくない」と付け加えた。

 ツイッター(Twitter)ユーザーたちはクリントン氏への怒りを爆発させ、「#Basket of Deplorables(嘆かわしい人というくくり)」はたちまちトレンド入りした。

 11月8日の投開票まで2か月を切り、依然として混戦模様が続いている10日、クリントン氏は発言を撤回した。しかしトランプ氏の「嘆かわしい」発言の例をいくつも挙げてトランプ氏批判は続けた。

 これに対しトランプ氏も反撃。クリントン氏の発言は「侮辱」だとツイートしたのを皮切りに怒りを表明し「ずいぶん久しぶりに彼女(クリントン氏)の本音があらわになった。非常に多くの米国人に対する偏見と憎悪をあらわにした」と述べ、クリントン氏は大統領に「ふさわしくない」と断じた。(c)AFP/Anita Chang Beattie