【9月9日 AFP】国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)は8日、ネパールでの児童婚の問題について報告書を発表し、同国では18歳未満の少女3人に1人が結婚をしていると述べた。

 ネパールでは児童婚は違法だが、実際に罪に問われるケースはまれだ。同国政府も最近、児童婚の慣習を2020年までに根絶させるとした誓約を2030年に先送りしている。

 HRWによると、ネパールでは少女の37%、少年の約11%が18歳未満で結婚している。法律では、結婚できる年齢は20歳だ。

 その多くは強制された結婚だが、その一方で、虐待や貧困から逃れたいといった理由や、結婚相手を自ら選びたいといった理由による、自発的な児童結婚も増えていることがHRWの調査報告書で明らかになっている。

 ある16歳の少女は、電話で話しただけの相手と駆け落ちをした。「私の両親は、自分たちが選んだ人と私の結婚を望んだ。2、3人から求婚された。両親は気に入ったけれど、私は違った」と話したという。

 未成年で結婚をした100人以上とのインタビューに基づき作成された同報告書は、少女らが教育を受ける機会を奪われ、家庭内暴力に直面しているとして児童婚を問題視している。

 また報告書は、多くの子どもたちが、身体的に未熟な状態で出産を強制されていることについても触れている。(c)AFP