【9月8日 AFP】全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2016)、男子シングルス準々決勝で勝利した錦織圭(Kei Nishikori)にとっては、約2万人が詰め掛けたアーサー・アッシュ・スタジアム(Arthur Ashe Stadium)に降った雨は、その屋根を閉めさせる恵みの雨となった。

 7日の約4時間にわたった試合で、大会第6シードの錦織は1-6、6-4、4-6、6-1、7-5で第2シードのアンディ・マレー(Andy Murray、英国)から逆転勝利を収め、大会通算2度目の準決勝進出を決めた。

 試合の流れが何度も入れ替わる中、錦織は2度のターニング・ポイントでアドバンテージを手にした。

 最初のターニング・ポイントは、第2セット、ゲームカウント3-3の場面で降り出した雨でスタジアムの屋根が閉じられたとき。

 もう1つの転機は、マレーが第4セット、ゲームカウント2-1の場面でブレークを奪いかけたときに、スタジアムの音響システムが突然音を発したときだ。このポイントがやり直されたことでマレーはブレークを奪えず、試合は両選手合わせて17回のブレークの奪い合いとなるフルセットマッチになった。

 屋根が閉じられる際の中断の間、錦織はマイケル・チャン(Michael Chang)氏とダンテ・ボッティーニ(Dante Bottini)氏の両コーチと新たな戦略について話し合ったことを明かした。

 第1セットに2度のブレークを許した錦織は、「第1セットを落としたのは完全に自分のミスからでした。ミスが多すぎましたね。ただ、雨の中断の間にいろいろと話をして、プレーを変えていこうと努めました。それがうまくいきました。今日の試合は、雨が助けてくれたのは間違いないです」と語った。(c)AFP