【9月7日 AFP】(訂正)戦争や暴力行為、迫害などにより自宅を逃れ難民や国内避難民になった子どもの数が、世界で5000万人近くに上ることが7日、国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)発表の報告書で明らかになった。

 世界各国のデータを分析したユニセフの報告書によると、5000万人のうち、暴力や紛争などで避難を強いられたのは2800万人に上り、そのうちの1000万人は難民で、100万人の子どもが難民認定を待つ申請者、約1700万人が自国内での避難民だという。これらの国内避難民は、人道支援や最低限のサービスも受けられない状況にある。

 報告書はまた、約2000万人の子どもたちが、犯罪組織の暴力や極端な貧困を含むさまざまな理由で自宅から避難したことを指摘している。「多くの子どもたちが証明書類を持たず、不確かな法的身分である上、健康や福利をしっかりとモニタリングする制度も整っていないため、虐待と監禁のリスクにさらされている。子どもたちはこのようなすきまから落ちこぼれている」とユニセフは述べている。

 他方で、単独で国境を越える子どもの数も増えている。昨年は、保護者が同伴していない未成年者10万人以上が78か国で難民申請を行った。これは、2014年の3倍に上る。

 全世界の人口のうち子どもが占める割合は約3分の1だが、難民の場合では、それが約半数に跳ね上がる。

 2015年、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の保護下にある子どもの難民のうち約45%は、シリアとアフガニスタンの出身だった。

 ユニセフは各国当局に対し、移動中あるいは難民認定を希望する子どもたちの拘束および家族からの切り離しをやめること、さらには子どもの移民・難民への保健サービスの提供や外国人に対する嫌悪や差別、社会的排斥への対抗措置を求めた。

 ユニセフは今年の国連総会に合わせて行われる9月後半の2つの会議で、移民の問題を取り上げる予定だ。(c)AFP