リュウ准教授は「特筆すべきことに、性交渉を週1回以上行うことで、性的に不活発な高齢男性の2倍近い心血管系疾患リスクが高齢男性にもたらされることが明らかになった」と話す。「さらに、パートナーと極めて気持ちの良い、満足感が得られる性交渉をしていたという高齢男性は、そうではない男性よりも心血管系疾患リスクが高かった」

 高齢男性は「体力が衰えて性の問題に悩まされることが多くなる」ため、性交渉とパートナーとの関係による精神的な緊張と圧力が心臓の健康リスク上昇の原因となっている可能性がある」とリュウ准教授は述べた。

「高齢男性は、医学的および情緒的な理由から、オーガズムに達する困難が若い男性よりも大きいため、絶頂に達するために頑張りすぎて疲労の度合いがより高くなる上に、心臓血管系に加わるストレスがより高くなる可能性がある」と、リュウ准教授は説明した。

 また、男性ホルモンの一種であるテストステロンの濃度と、性欲を向上させる薬の使用が、男性の心臓血管の健康に悪影響を及ぼす可能性があると、リュウ准教授は指摘している。

 論文の執筆者らは、高血圧、頻脈(心拍数が異常に多い状態)、高レベルのC反応性タンパクや、心臓発作、心不全、脳卒中などの心血管系イベントの発生などを基準として、心血管系疾患リスクを評価した。

 第1弾の調査データは2005~06年に収集された。研究チームはその5年後に第2弾のデータを収集した。(c)AFP