【9月7日 AFP】米FOXニュース(Fox News)は6日、元キャスターのグレッチェン・カールソン(Gretchen Carlson)さんが前最高経営責任者(CEO)のロジャー・エイルズ(Roger Ailes)氏(76)からセクハラを受けたとして起こしていた裁判で、和解が成立したと発表し、カールソンさんに対する処遇を謝罪した。現地メディアは、同社がカールソンさんに対し2000万ドル(約20億円)の和解金を支払うと報じている。

 親会社の21世紀フォックス(21st Century Fox)は、「グレッチェンが、彼女をはじめ職員全員に向けられるべき敬意と尊厳に満ちた待遇を受けていなかったという事実を心から遺憾に思い、謝罪する」との声明を出した。

 声明には詳細な和解条件は記されていないが、米誌ヴァニティ・フェア(Vanity Fair)は複数の関係筋の話として、FOX側がカールソンさんに2000万ドルの示談金を支払うと報じている。

 米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)も同じ和解金の額を報道。さらに、カールソンさんによる提訴後にセクハラ被害を名乗り出た他の複数の女性とも、FOXが和解協議を行っていると伝えている。

 この裁判により、政界にも強い影響力を持ち、メディア王ルパート・マードック(Rupert Murdoch)氏と共にFOXをニュース専門ケーブルテレビ局のけん引役へと成長させたエイルズ前CEOは辞任に追い込まれた。

 エイルズ氏は、元ミス・アメリカでFOXニュースのキャスターを務めていたカールソンさんに性的な関係を迫ったとの疑惑を否定していた。しかしこの裁判がきっかけで、他の女性職員も次々と被害を訴え、カールソンさんの主張を裏付ける形となった。(c)AFP