【9月5日 AFP】フィリピン国家警察のロナルド・デラローサ(Ronald de la Rosa)長官は5日、ロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領が掲げる「麻薬撲滅戦争」の下では、たとえ富裕層や大物政治家であっても犯罪者であれば、警察当局は殺害を辞さないと述べた。

 フィリピン政府は、2か月余り前のドゥテルテ大統領就任以来、犯罪撲滅作戦により2400人以上を殺害したと発表。警察によれば、うち1011人が麻薬関連犯罪の容疑者。この他、「捜査中に死亡」した事例が1391件ある。

 政府のこうした動きに対しては、国連(UN)が非難するなど、各方面から懸念が高まっているが、デラローサ長官は記者会見で「(犯罪者らが)抵抗すれば、彼らは死ぬだろう。われわれはまったく差別しないと保証する。裕福な者か貧しい者か、警官か一般市民かにかかわらず、たとえ政治家であっても、麻薬に手を染め抵抗すれば死ぬことになる」と語った。

 ドゥテルテ氏は、就任から半年以内に犯罪者を殺害し犯罪を撲滅するとの公約を掲げ、5月の大統領選で圧勝した。この犯罪撲滅作戦を指揮するデラローサ長官は、違法薬物に関与した警官の腐敗に対しては、さらに容赦しないと強調。「我々の大義を裏切る同僚はなおさら殺害した方がいい」と述べた。(c)AFP