【9月5日 AFP】全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2016)は4日、男子シングルス4回戦が行われ、大会第10シードのガエル・モンフィス(Gael Monfils、フランス)との一戦に臨んだマルコス・バグダティス(Marcos Baghdatis、キプロス)が、チェンジエンドの際に携帯電話を使用して警告を受けるという珍しい場面があった。

 バグダティスは第2セットで2-5とされた直後のチェンジエンドで警告を受け、直後には審判に「もし時間を確認したい場合は?」と尋ねていた。

 この試合、モンフィスに3-6、2-6、3-6で敗れたバグダティスのメッセージ相手は、元テニス選手で現役時代には世界トップ20にも入ったこともある妻のカロリナ・スプレム(Karolina Sprem)さんだった。同選手は試合後、「ルールは存在する。多分そのルールに違反したことで警告を受けたのだと思う。でもただ妻にメッセージを送ろうとしていただけだ」と語った。

 また、過去に同様の行為に及んだことはなかったといい、騒ぎを起こすことになるとは想定していなかったという。

 携帯電話を使用するに至った理由については、「これまで試合中に誰かにメッセージを送ることなんてなかったけど、どうしてしないんだ?と思った」と説明。敗戦後には、「テニス人生の中でも、最悪の状態のサーブだった」と語るなど、ファーストサーブの成功率が36パーセントに落ち込み、モンフィスに対してチャンスを見いだせていなかったバグダティスにとっては、試合から気を紛らわすきっかけを探していたのかもしれない。

 2006年の全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2006)準優勝者は、「ガエルと対戦するときは、もしフリーポイントが取れなければ、ラリーをしなくてはならない。ラリー戦を挑んだけれど、彼のサービスゲームではフリーポイントを多くとられ、自分のサービスゲームでかなりプレッシャーがかかってしまった。正直言って、タフな試合だった」と付け加えた。

 バグダティスは今大会開幕まで、2009年の全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2009)以降、四大大会(グランドスラム)で4回戦進出を逃し続けていた。(c)AFP