【9月5日 AFP】フランスの首都パリ(Paris)で4日、中国系住民が市中心部のレピュブリック広場(Place de la Republique)に集まり、紳士服店を営む中国人男性が強盗に襲われて死亡した事件に抗議するデモを行った。フランスでは中国系の人々を標的とした犯罪が増加している。

 デモ隊は、ほぼ全員が「全ての人に安全を」と記された白いTシャツを着用して行進。フランス国旗を掲げた人の姿も多く見られた。警察の推計によるとデモ参加者数は約1万4000人。一方、主催者側は10万人が「アジア人への人種差別」に抗議したと発表した。

 発端の事件は先月7日、中国系移民が多く住むパリ北郊のオーベルビリエ(Aubervilliers)で、紳士服店を営む張朝林(Zhang Chaolin)さん(49)が友人のかばんをひったくろうとした3人の強盗に襲撃され、そのときの負傷のため数日後に死亡したもの。

 レピュブリック広場の中心に掲げられた張さんの写真入り巨大横断幕には、赤い血しぶきのイラストとともに「次は誰だ?」との言葉が添えられていた。

 フランスでは中国系コミュニティーを狙った荒っぽい強盗事件が相次ぎ、通報件数はこの1年間で35件から105件へと3倍に増えた。背景には、中国系住民は金持ちで常に大金を持ち歩いていると考えられていることがある。このため、中国人観光客を標的とした犯罪も繰り返し起きており、先月初旬には中国人ツアー客が催涙ガスを浴びせられた隙にスーツケースを奪い去られた。

 ただ、捜査関係筋によると張さんの事件でひったくりに遭ったかばんの中には、キャンディーとたばこ、サングラスしか入っていなかったという。ベルナール・カズヌーブ(Bernard Cazeneuve)内相は4日、オーベルビリエを巡回する警官を増やすとともに防犯カメラ設置に予算を割くと約束した。(c)AFP/Sarah BRETHES, Marie GIFFARD