【9月3日 AFP】先月ブラジルで開催されたリオデジャネイロ五輪の参加選手や観客、その他の参加者の間でこれまでにジカウイルスの感染者は出ていないと、世界保健機関(WHO)が2日、明らかにした。

 WHOで感染および公衆衛生緊急事態の責任者を務めるピーター・サラマ(Peter Salama)氏は報道陣を前に、ブラジルの専門家らが今月1日にWHOの緊急委員会に提出した同国の状況に関する詳細なデータについて言及し「旅行者にも選手らにもジカ熱と確認された発症例はない」と述べた。

 同委員会の委員長を務めたデービッド・ヘイマン(David Heymann)氏も、五輪期間中に医療機関などで診断を受けた全参加選手と観客の中でジカウイルス感染による急性症状があった例はゼロだったという「非常に説得力がある」データがあると述べ、五輪閉幕後に自国に戻った選手、観客らからも感染報告は出ていないと語った。

 五輪開催前には、ジカウイルスの感染が最も深刻なブラジルに世界中から観客が集まることで感染が急速に拡大するのではないかとの懸念が広がっていた。しかしWHOは、五輪の開催時期がブラジルの冬季に当たるため、蚊が媒介するジカウイルスの感染リスクは「最小限」に抑えられるとの考えを強調していた。(c)AFP/Nina LARSON