【9月2日 AFP】アフリカ中部ガボンで現職大統領が再選されたとする選挙結果に野党支持者が反発し暴動が広がった問題で、内務省は1日、これまでに3人が死亡したほか、約1000人が警察に身柄を拘束されたと発表した。アリ・ボンゴ(Ali Bongo)大統領は「破壊行為の訓練を受けた小集団」などと野党支持者をこき下ろした。

 ガボンでは先週末に投票が行われた大統領選の開票結果が8月31日に発表され、現職のボンゴ大統領が最大の対立候補だった野党のジャン・ピン(Jean Ping)氏(73)を僅差で上回り、当選を宣言した。これに対し、ピン氏は選挙結果が不正に操作されたと反発している。

 首都リーブルビル(Libreville)ではピン氏の支持者らが行った抗議デモが暴動に発展。ピン氏は先に、1日未明に治安部隊が野党本部を急襲し、2人が死亡、19人が負傷したと話していた。

 ボンゴ大統領は1日、大統領府で行った演説で「民主主義は議会襲撃とは相いれない」と述べて野党支持者による国会議事堂への放火を批判。「選挙で負けたのは、ガボンに尽くすのではなく権力を手中に収めて利用することだけが目的の小集団だ」と、自身の勝利の正当性を改めて主張した。

 ボンゴ大統領の再選は、アフリカの小さな産油国であるボンゴでほぼ50年続いてきたボンゴ一族による統治がさらに続くことを意味する。ピン氏は先月27日に大統領選の投票が終わった直後、勝利したのは自分で、そうでない結果があれば全て不正だと主張していた。

 治安部隊は1日午前半ばまでに首都の中心部を封鎖。一帯は平静を取り戻したが、巡回する軍や警察、機動隊の要員以外に人影はみられない。(c)AFP