ウィリアムズのマッサ、今季限りでF1引退を発表
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【9月2日 AFP】ウィリアムズ(Williams)に所属するブラジル人ドライバーのフェリペ・マッサ(Felipe Massa)が1日、今季限りでフォーミュラワン(F1、F1世界選手権)から引退すると表明した。35歳のマッサは、伊モンツァ(Monza)で行われる第14戦イタリアGP(Italian Grand Prix)の記者会見で、2002年からキャリアを過ごしてきたF1に長い別れを告げることを明かしている。
母国ブラジルで行われた2008年シーズンの最終戦で、当時マクラーレン・メルセデス(McLaren-Mercedes)に所属したルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)にわずか1ポイント差で敗れ、年間優勝を逃したマッサは、「レースでキャリアを始めたときよりも緊張している」と話し、「キャリアを開始したカート時代から、F1での15年間を合わせて27年間過ごしてきたレース人生は、今季が最後のシーズンとなるだろう」と語った。
「人生はたくさんの選択肢を与えてくれる。自分にとって、ここを離れて何か違うことをするべき時期がきたと思う」
F1でのキャリアを開始したザウバー(Sauber)から、2006年にフェラーリ(Ferrari)へ移籍し、2014年に加入したウィリアムズで3年目のシーズンを過ごしているマッサは、今季最終戦の第21戦アブダビGP(Abu Dhabi Grand Prix 2016)でF1通算250戦目を迎える。
マッサは今後について、「再びレースカーに乗る姿を披露できることがあるかもしれないけれど、現時点で確実に言えることは、将来何をするかについては時間をかけて決めるということだ」と述べた。
F1で通算11勝を記録しているマッサは、モンツァで引退を発表した理由について、フェラーリ時代のチームメートであり、通算7度の年間王者に輝いた実績を持つミハエル・シューマッハ(Michael Schumacher)氏が2006年に引退を表明し、2007年シーズンはキミ・ライコネン(Kimi Raikkonen)と一緒に走ることが決まった場所だったからだと説明した。
「あの日から10年が経過した。この同じパドックで、自分の決意を表明しようと決めたんだ」
■「真のジェントルマン」
2009年の第10戦ハンガリーGP(Hungarian Grand Prix 2009)では他車のパーツが頭部に当たる事故に見舞われ、重傷を負ったものの、その翌年にレース復帰を果たしたマッサは、あと一歩のところで2008年の世界間王者を逃した最大の理由について、「クラッシュゲート」事件として知られる同年の第15戦シンガポールGP(Singapore Grand Prix 2008)を挙げた。
マッサは「あのレースがなければ、自分が世界王者になっていたはずだ。ドライバーやチームのミスとは無関係であることを明確にできず、受け入れがたいものがある」とコメントした。
一方、マッサはウィリアムズでキャリアを終えることを誇りに思うと話しており、「このチームの一員でいられたことは誇りだ。ウィリアムズは厳しい状況に置かれていたが、最近の2戦では素晴らしい結果を残せた」と語っている。
ウィリアムズのクレア・ウィリアムズ(Claire Williams)副代表は、引退を決めたマッサに敬意を表し、「とても悲しく、寂しい日です。フェリペにとって大きな決断だったと思います。彼はナーバスになっていました」とコメントした。
「彼はウィリアムズで愛されている真のジェントルマンです。2014年に彼を迎えることができて、とても幸運でした。私たちは厳しい状況に直面していて、ここへ来てチームの一員になってくれる存在を必要としていました」
(c)AFP