【9月1日 AFP】米国で大麻を使用している成人の数は、2002年から2014年までの間に1000万人増えたとする研究論文が8月31日、発表された。

 英精神医学専門誌ランセット・サイキアトリー(Lancet Psychiatry)に掲載された論文は、大麻に対する世論の抵抗感の薄れと有害ではないとの認識が高まったことを受けるかたちで、その使用者は増加していったとしている。

 研究は、2002~2014年の間に米成人50万人超を対象に行った調査の結果が基になっている。これによると、大麻使用者は、2002年には人口の10.4%にあたる2190万人だったが、2014年には13.3%にあたる3190万人に増加した。今回の研究では、子どもや若者はその対象から外された。

 また大麻を常用あるいはほぼ常用している人の数は、2014年には約840万人と推定。2002年の390万人から増加した。

 その一方で、大麻を週に1、2度使用することによるリスクや健康被害が心配だと答えた人の割合は、2002年の50.4%から2014年には33.3%に減少している。

 研究では、乱用や依存症といった大麻使用による弊害の上昇はみられなかった。

 大麻の「非犯罪化」は、その使用者を増やすことにつながるとして反対する意見もある。このような意見が、今回の研究を行うきっかけの一つとなったという。

 薬物依存に詳しい専門家は、「使用者数(の推移)や健康被害など、(大麻をめぐる)一連の法律変更による影響について結論を求めるのは時期尚早だろう。ただ、その普及率や使用頻度を増加させる可能性はある」と同時に掲載された解説記事で指摘している。(c)AFP