【9月1日 AFP】ロシアレスリング連盟(WFR)会長のミハイル・マミアシビリ(Mikhail Mamiashvili)会長が31日、リオデジャネイロ五輪に出場したレスリング女子ロシア代表のイナ・トラジュコワ(Inna Trazhukova)の顔を試合後に殴打したとされる件で、同選手に謝罪した。

 この事件は先日、トラジュコワがロシア紙スポーツ・エクスプレス(Sport Express)に対して語ったことで発覚。それによれば、トラジュコワはリオ五輪の女子63キロ級3位決定戦でモニカ・エバ・ミチャリク(Monika Ewa Michalik、ポーランド)に敗れて銅メダルを逃した後、チームメートや他国の代表選手団の前で、マミアシビリ会長から顔を2回殴打されたという。

 トラジュコワはすでに、ロシアの検察当局に告訴して事件の調査を求めている。担当の弁護士も今週、AFPに対して、選手の権利保護を求める抗議書をロシアスポーツ相に送付したと明かしていた。

 これを受けて、会長は連盟を通じて声明を発表し、「イナへの謝罪が必要だと感じました。リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)でのあの件は、五輪のような重要な大会独特のとてつもないストレスと緊張、チームとして結果を出さなくてはならないという重圧から生じたものです」と話した。

 トラジュコワは同日、会長の謝罪を受け入れると話したが、法的手段を引き続き検討していくかについては明言していない。スポーツ・エクスプレス紙に対しては、「まずは休んで、それから練習を続けます」とコメントしている。

 この事件に対して、ロシアのスポーツ界には怒りが広がっているが、マミアシビリ会長が地位のある役人で、政府とのつながりも深いことから、おとがめなしに終わるだろうと考える人は多い。(c)AFP