【9月1日 AFP】フランスで最も著名な報道写真家の一人で、1960年代米国のベトナム戦争(Vietnam War)に反対する「フラワーパワー」運動を捉えた写真などで知られるマルク・リブー(Marc Riboud)氏(93)が、長い闘病生活の末に8月30日、死去した。同氏の遺族がAFPの取材に語った。

 白黒写真の巨匠であるリブー氏の代表作には、ベトナム反戦運動が起きていた1967年の米国で米兵の列に対し一輪の花を掲げる女性を捉えた写真の他、1953年にパリ(Paris)のエッフェル塔(Eiffel Tower)で作業に当たるペンキ工の姿を捉えた写真などがある。

 リブー氏は生前、著名な写真家集団「マグナム・フォト(Magnum Photos)」に、共同創設者で写真界の偉人であるアンリ・カルティエブレッソン(Henri Cartier-Bresson)とロバート・キャパ(Robert Capa)の両氏から招かれて参加。

 その作品は、米国のルック(Look)やライフ(Life)、独シュテルン(Stern)、仏パリ・マッチ(Paris Match)といった一流雑誌に掲載された。また1960年代後半には、北ベトナム入りできた数少ない写真家の一人となった。

 アジア各国でも活動し、自身初の作品集は「日本の女性たち(Women of Japan)」だった。(c)AFP/Laurence Benhamou