■国際社会の関心の低さ

 コレラの流行と闘う医療チームは、ハイチの危機的状況に対する国際社会の関心の低さに失望している。

 前出のユニセフ副代表は「ほぼ同じ規模の犠牲者が出たエボラ熱では、15億ドル(約1500億円)が集まった。ハイチのコレラ流行では2010年以降、わずか3億ドル(約308億円)が寄せられただけだ」と指摘する。

 カルフールの治療センター監督者は、1日に対応する患者の数は10人までと話すが、ある日の午前中には、既に患者12人が施設内のベッドに寝ていた。しかし、施設監督者によると、カルフールの治療センターでは、資金不足のため7月以降、職員の数が半分に減らされたという。

 仏伝染病専門家ルノー・ピアルー(Renaud Piarroux)氏が8月初めに報告したところによると、1月から6月までの間の感染件数は、2万1000件以上に上り、うち200人が死亡している。また、11月または12月まで続く雨期を考慮すると、今年のコレラによる死者数は最大で500人になる恐れもあるという。(c)AFP/Amelie BARON