【8月29日 AFP】中国の警察当局は、過去30年にわたり女性11人を殺害した中国版「切り裂きジャック(Jack the Ripper)」事件の容疑者を同国北西部甘粛(Gansu)省で逮捕したと発表した。

 29日付の国営英字紙チャイナ・デーリー(China Daily)は、ガオ・チェンヨン(Gao Chengyong)容疑者(52)が、甘粛省白銀(Baiyin)市で妻と一緒に営む食料品店で拘束されたと報じた。容疑者は同省および隣接する内モンゴル自治区(Inner Mongolia Autonomous Region)で1988年から2002年の間に起きた女性11人の殺人事件について自供したという。

 報道によると、ガオ容疑者は赤い服を着た若い女性を狙い、家まで後をつけて女性に性的暴行を加えた上で殺害した。また、うち数人の喉をかき切ったり、遺体をばらばらに切断したりしたという。最も若い犠牲者は当時8歳だった。国営紙・北京青年報(Beijing Youth Daily)によれば、生殖器を切除された犠牲者もいる。

 警察は2004年、一連の殺人事件を初めて関連付け、逮捕につながる情報に20万元(約300万円)の懸賞金をかけた。この際「容疑者は性的倒錯者で女性を嫌っている。また引きこもりがちで非社交的だが、忍耐強い」とする犯人像を発表していた。

 ガオ容疑者の逮捕は、白銀市で親戚の一人が軽犯罪の容疑で自宅軟禁処分を受けた際、ガオ容疑者のDNAも採取・検査されたことがきっかけとなった。警察は28年間にわたって追い続けてきた殺人犯と関連があると結論付けた一方、ガオ容疑者と一連の殺人犯のDNAも一致したという。

 一連の殺人がなぜ2002年を最後に途絶えたのかについては、これまでのところ説明されていない。(c)AFP