【8月29日 AFP】米歌手のビヨンセ(Beyonce)が28日、米ニューヨーク(New York)のマディソン・スクエア・ガーデン(Madison Square Garden)で開催されたMTVビデオ・ミュージック・アワード(MTV Video Music Awards)授賞式に、警官らに殺害されたアフリカ系米国人男性4人の母親たちを招待した。

 きらきらと輝くシルバーのロングドレスに天使の翼を思わせる水色の羽根飾りをまとい、大きな宝石を身に着けたビヨンセは、故マイケル・ブラウン(Michael Brown)さん、故エリック・ガーナー(Eric Garner)さん、故オスカー・グラント(Oscar Grant)さん、故トレイボン・マーティン(Trayvon Martin)さんの母親たちを伴い、静かにレッドカーペットの上に現れた。

 マーティンさんは17歳だった2012年、近所に住む白人の自警団員に射殺された。この事件は「ブラック・ライブズ・マター(Black Lives Matter、黒人の命は大切だ)」運動が発展するきっかけとなった。ブラウンさん、ガーナーさん、グラントさんはいずれも警官に殺害された。4人とも事件当時、武器を所持してはいなかった。

 グラントさん以外の3人の母親は、ビヨンセの最新アルバム「レモネード(Lemonade)」にパッケージされた同名の映像作品にも参加している。

 娘のブルー・アイビー(Blue Ivy)ちゃんも会場に同伴して注目を集めたビヨンセは、最多11部門でノミネートされていたが、「レモネード」収録の政治色の濃い楽曲「フォーメーション(Formation)」で最高賞「ビデオ・オブ・ザ・イヤー」を受賞するなど4冠を達成した。(c)AFP