【8月29日 AFP】イランと欧米など6カ国が昨年合意した核協議をめぐってスパイ行為をはたらいたとして、イランが男を逮捕していたことが28日分かった。イラン当局者らが記者団に明らかにした。ただ正式な訴追はされておらず、容疑者はその後保釈されたという。

 これに先立ち首都テヘラン(Tehran)の検察官は今月16日、英国の情報機関と関係を持っていた疑いで英国系イラン人を逮捕したと発表していた。

 一方、地元メディアは、二重国籍を持つ上級会計士で、核協議の経済的な面に携わっていたアブドルラスル・ドリ・エスファハニ(Abdolrasoul Dorri Esfahani)容疑者がスパイ活動に絡んで逮捕されたと報じている。

 ただ、検察が発表した英国系イラン人とエスファハニ容疑者が同一人物であるかどうかについては確認が取れていない。イランでは二重国籍は認められておらず、逮捕された場合はイラン国民として扱われる。

 保守系の週刊誌Ramze Obourはタカ派議員の話として、エスファハニ容疑者が「交渉団を出し抜いて貴重な情報を米国側に流し」、英米両国から報酬を得ていたと報じている。

 一方、イラン学生通信(ISNA)は、エスファハニ容疑者は交渉団の一員でも外務省の職員ではなく、「イランの経済部門の一つの代表者として、必要に迫られてある時点で交渉団に姿を見せただけの人物」と伝えている。(c)AFP