【8月28日 AFP】リオデジャネイロ五輪の開会式で、ケニア代表の選手たちの手元にユニホームが届かず、そろいの格好で開会式に臨めなかった問題で、ケニアの警察当局は27日、同国五輪委員会(NOCK)の事務局へ家宅捜索に入り、数十箱の衣料品が押収された。同日には、委員会の幹部3人が逮捕されている。

 警察はAFPに対して、「家宅捜索が本日午前に行われ、数十箱分のスポーツウエアが回収された。捜査の焦点は、ナイキ(Nike)から支給され、選手の元へ届かなかったウエアの横領にある」とコメントした。

 当局はこれに先立ち、NOCK事務局長のポール・フランシス(Paul Francis)氏、そしてその部下で、ケニアのリオ五輪選手団の代表を務めたジェームズ・チチャ(James Chicha)氏とスティーブン・アラ・ソウ(Stephen Ara Sou)氏を詐欺と監督不十分の疑いで逮捕した。

 3人は現在、ナイロビ(Nairobi)北東部の警察署で身柄を拘束されており、週明けとともに公式スポーツ用品の詐取、および監督不十分の罪で起訴される見込みだという。

 五輪の開会式は本来、選手団全員がそろいの服を着用してメイン会場に姿を現し、誇らしく行進する場となるはずだが、ケニアでは正式なユニホームが多くの選手の元へ届かず、代表団は不釣り合いな格好で開会式に参加しなければならなかった。

 そのためケニア政府は18日、NOCKがユニホームを着服したことだけではなく、代表団に五輪には無関係の人物が入り込んでいたことについても、調査を命じていた。

 ケニアでは、ここ何年かの間に陸上競技で大規模な薬物違反が発覚し、数十人の選手が長期の出場停止処分を科されているが、それに続く醜聞となってしまった。(c)AFP