【8月26日 AFP】フィリピン国家警察のロナルド・デラロサ(Ronald dela Rosa)長官は、26日にテレビ放映された演説で、麻薬の使用者らに対し、麻薬密売人を殺害し家を焼くよう呼び掛けた。ロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領が推進する犯罪撲滅運動では既に2000人が殺害され、批判の的となっている。

 デラロサ長官の演説は、フィリピン中部で出頭してきた数百人の麻薬使用者に向けて25日に行われたもの。ドゥテルテ大統領の掲げる犯罪撲滅運動の機運を維持する意図があったとみられる。

「やつらを訪ねて家にガソリンをかけ、火を付けて怒りをあらわにしたらいい」とデラロサ長官は述べ、次のように続けた。

「やつらは君たちの金でもうけている。その金は、君たちの脳を破壊した金だ。君たちは、誰が麻薬密売組織のボスなのか知っているだろう。やつらを殺したくはないか? やればいい。君たちは被害者なのだから、やつらを殺しても構わない」

 殺人と放火を推奨するデラロサ長官の発言について、ドゥテルテ大統領も支持しているのかと問われたエルネスト・アベリャ(Ernesto Abella)大統領報道官は26日、本来の意図は呼び掛けではないと否定。「そのような呼び掛けは行われていない。あれは、情熱的な声明だ」と記者団に釈明した。(c)AFP